【症状記③】パニック症の診断・治療開始から1か月の記録 

panic体験記

こんにちは、パニック症になったカウンセラーpanicoです。
久々の私的な症状記録になります。

前回【症状記②】では、心療内科初診までのお話を書きました。

今回は、診断をうけてから1か月後の症状の変遷について書きたいと思います。どうぞお付き合いください。

診断を受けた当日のこと

心療内科でパニック症と診断を受けた帰り。
苦しい日々に診断名という名前がつき、安心した気持ちが半分、「やっぱりか」とショックな気持ちが半分、両方が混ざった複雑な気持ちでした。薬局でお薬を受け取って、またいちだんと実感がわきました。

予期不安のため電車が怖い日々でしたが、心療内科からの帰りの電車は、不思議と不安はありませんでした。診断を受けたことで頭がいっぱいだったからでしょう。他に考えることがあれば、発作の不安に脳内を占拠されずに済むんですよね。
(あと、やっぱり仕事に向かう朝の電車のほうが緊張感が増すのか、予期不安が強い。対して帰りの電車は、仕事が終わった安堵感からか、不安が少ない。他の人はどうなのでしょうか。)

その日は、心療内科に行ったこともパニック症の診断を受けたことも、夫にも誰にも言わず、普通に帰って普通に過ごしました。そうです、私は秘密主義なんです。通院のために仕事を早退していて、帰りはいつもと同じくらいの時間だったので、家族に怪しまれずにすみました。

寝る前に、処方されたお薬を飲みました。

家族へのカミングアウト

診断をうけた当日は、誰にも言いたくありませんでした。受け止める時間が欲しかったのですよね・・・。
ただ、「近々病院に行ってみる」と夫には伝えていたので、数日後、こころが落ち着いている日に伝えることにしました。

病院に行ったこと、パニック症の診断がついたこと、お薬を飲むことになったこと、受診のペースや次回の受診予定などを、淡々と伝えました。すでに数日お薬を飲んでいた状況だったので、「自分としては少し良くなっている気がする」と伝えました。

夫はふーん、などとシンプルに返事したのみで、とくに質問はなく(もともと私にあまり興味ないのですよ)、あとは普段通りでした。
このくらいの反応が私にはちょうどよいんです。

こうして初カミングアウトは淡々とした事務連絡のようにクリアいたしました。

(ちなみに、この記事を書いている現在まで、夫以外の家族には誰にも病気のことは伝えていません。秘密主義なので。笑)

お薬に不安がある場合は主治医に相談を

お薬について少し話します。

私が処方されたのは、抗うつ薬、抗不安薬、動悸や震えに効くβ遮断薬、鉄剤でした。(貧血気味だったもので。)
受診前、カウンセラーとして患者さんとお話していると「精神科の薬を飲むのに抵抗がある」とおっしゃる方がよくいました。でも私の場合お薬には全く抵抗がなかったです。
むしろ、
「お薬?はい喜んで飲みます!あの悪夢(発作)を経験せずに済むのなら、何だってします!」
という心境で、お薬ウェルカムモードでした。自分でもびっくりです。

お薬によっては副作用が強かったり、依存性が高かったり、妊娠希望などの個々の事情があったり、他のお薬との飲み合わせなど、慎重になることもあるかと思います。
でも中には、頭痛薬や痛み止めなど身体の病気のお薬は抵抗なく飲めるのに、こころのお薬はなんとなく嫌だとか、ネットの情報や他人の体験談を耳にして、「精神科の薬」というだけでお薬を拒否して辛い症状を我慢している方がいます。

そういった不安や懸念は、率直に主治医に伝えてみたほうがよいです!代替案を提案してくださる医師もいます。医師はこれから先も付き合っていく人(彼氏みたいに言うな)なのだから、腹を割って話せるのが一番です。

パニック症治療は「不安にならないこと」が治療目標なのですから、治療そのものに不安を残したままでは、パニック治療はすすまない気がします。ネットや他人の意見を鵜呑みにせず、目の前の医師と信頼関係を築きましょう。診察室では医師と患者は対等です。不安なことがあれば主治医に相談してみてください。

私の場合、多少の副作用はありましたが、薬が効いてこころの調子が良くなるのが実感できたので、不安なく薬物療法に取り組めた気がします。

治療開始2週間で、薬の効果を実感

受診して診断を受けるまでは、身体もメンタルもどん底で、何をしていても憂鬱で、ふいに涙が出たり、好きだったことができない、やる気がおきない、映画やテレビの刺激が強すぎて見られないなど、ズタボロ状態でした。

休日も家で仕事をしちゃっていました。家事も育児もしなきゃいけないのに、できていない罪悪感を抱くのですが、いざ家事育児に取り組むと仕事のことが頭をよぎって不安になって、不安を解消するため夜に睡眠時間を削って仕事の準備をしていました。睡眠がよくとれていないので、翌日の仕事のパフォーマンスが落ちてしまい、これを失敗体験と認知してしまい、仕事への不安が増大・・・そんな感じの悪循環になってました。

これが、診断を受け服薬を開始してどうなったか。

まず、通勤時の予期不安が全くなくなり、朝の体力消耗を防ぐことができました。朝の通勤ラッシュって、ただでさえ体力もっていかれるのに、予期不安で神経張り詰めた状態だったので、かなり体力を使ってしまっていたのですね。

また、感情の浮き沈みが落ち着き、小さいことでイライラしなくなって心が穏やかになりました。夕食後に薬を飲むと眠くなって、家では仕事をせずに就寝するようになりました。

そんな生活を何日か続けていると、休日や夜に仕事をしなくても何とかなるということがわかり、そういえば自分は、「仕事は、家族との時間や睡眠時間を削ってまでするものではない」主義だったことを思い出しました。
思い切って家では仕事をしないと決めて、家事育児中心に無理なく楽しんでできることをするようにしました。

2週間後、心療内科2度目の受診。
お薬も効いてきていて、副作用もさほど気にならなくなったので、初診時の薬を続けることになりました。この時点ですでにどん底の状態は脱していたので、だいぶ回復を実感することになりました。

治療開始1か月、新たな予期不安が仲間入り

お薬も合ってきたし、通勤時の予期不安がずいぶんよくなって、順調に回復を見せていた診断1か月後。

予期不安が再発してしまいました。

「再発」というか、「新たに不安対象が増えた」のですよ・・・。
ここにきて仲間の加入です。RPGなら歓喜の瞬間なのに・・・。

仲間が増えたいきさつについて詳しくお話しますと・・・。

ある日スーパーで買い物をしている最中、陳列棚の一番下にある商品をしゃがんで見ていたんです。しばらく迷ってふと立ち上がったときに、たぶんこれは立ち眩みなんですが、クラっとした感じがあって。気分が悪いな、と思いながらレジに向かいました。

とても混みあうスーパーなので、レジ待ち列がものすごく長くなっている最後尾に並び、早く進んでくれ~、と思っていると、ふとあの嫌な感じが襲ってきたのですね。

そう、動悸です。

え、今日休日ですけど?べつに何ともないただのレジ待ち列ですけど?と動揺しつつ、大きくなる動悸。

私の前にも後ろにも、レジ待ちのお客さんが何人も並んでいて、今ここで列を抜けることもできるけど、抜けたくない。抜けてまた並びなおす時間はない。だけどお会計終わりまで無事に乗り切れる気がしない。こんなとこで倒れたらどうしよう・・・。

なんて考えていて、動悸は激しくなるし、視界も歪みだし・・・、
もう無理だ、お薬飲もう。となって、財布に忍ばせていた頓服薬を口にして、その場はなんとかおさまりました。

今思えば、あれはしゃがんだ後急に立ち上がった立ち眩み=起立性低血圧の症状がしばらく続いていたんですよね。それをパニック発作だと決めつけてしまったんです。でも、その時の私は、動悸=パニック発作と信じて疑わなかった。新たな仲間を加入させたのは私自身だったのですね。

帰宅した後、考え込んでしまいました。
なんでプライベートの時間に、なんてことのないレジ待ちで、発作が?
とうとうこんなことにまで不安の対象が広がってしまった・・・。
お薬にこんなにも頼ってしまっているのだな・・・。

がっくりした診断1か月後のある日なのでした。(続く)

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