突然やってくるパニック発作。息苦しさや動悸、体の震えや「このまま倒れるのでは」という恐怖に圧倒されることがありますよね。そんなときに“すぐできる対処法”と、発作が落ち着いたあとに使える“気持ちの切り替え術”をまとめました。少しでも安心材料になれば幸いです。
発作が来たときにすぐできる対処法
4-7-8呼吸法

マインドフルネスでよく使われる呼吸法で、アンドリューワイル博士により提唱された方法です。
- 鼻から4秒かけて吸う
- 7秒止める(苦しければ省略可)
- 8秒かけて吐く
→ 3〜6回繰り返すだけで、心拍と呼吸が整いやすくなります。
他にも4-4-8呼吸法、3-2-5呼吸法、箱呼吸法など、様々な呼吸法がありますが、panicoのおすすめはこの「4-7-8」です。7が奇数なのでちょっと音楽的にずれる(という表現が適切かわかりませんが)のが絶妙というか、より呼吸に意識が向く感じがします。
みなさんもご自身に合った呼吸法をみつけるために、いろいろ試してみてください!
5-4-3-2-1 グラウンディング

「54321グラウンディング」とは、マインドフルネスの実践や心理療法の現場で生まれた、感情の揺れを落ち着かせるためのテクニックで、「今ここ」に意識を戻す方法です。
① 見えるものを5つ探す
周囲を見渡して、目に入るものを5つ挙げます。
例:机、観葉植物、窓の外の雲、カップ、壁の模様
→ 色や形、質感に意識を向けると効果的。
② 触れているものを4つ感じる
自分の体が触れているものを4つ意識します。
例:椅子の座面、服の感触、足裏の床、空気の温度
→ 肌の感覚を丁寧に感じ取ることで、安心感が生まれます。
③ 聞こえる音を3つ挙げる
周囲の音に耳を傾けて、3つの音を探します。
例:エアコンの音、鳥のさえずり、遠くの車の音
→ 音の高さや距離感にも注目すると集中力が高まります。
④ 匂いを2つ感じる
今感じられる匂いを2つ挙げます。
例:コーヒーの香り、洗剤の匂い
→ 香りがない場合は「何も感じない」と認識するだけでもOK。
⑤ 味を1つ意識する
口の中の味や、最近食べたものの味を思い出します。
例:口に残るお茶の風味、飴の甘さ
→ 味覚が難しい場合は、舌の感覚に意識を向けても◎。
パニック発作が襲ってきても、「今ここ」で自分に起きている大丈夫な要素がたくさんあります。大事なのは、意識を向けるのみで、快や不快などの判断はしないことです。
漸進的筋弛緩法

手をぎゅっと握って5〜10秒、その後ふっと脱力。次に腕、肩、顔……と全身を順に繰り返します。緊張とリラックスの差を体で感じると落ち着きやすくなります。
冷たい刺激を使う

パニック発作時は、交感神経(戦う・逃げるモード)が過剰に働いています。冷たい刺激は、迷走神経(副交感神経)を刺激し、心拍数や呼吸を落ち着ける作用があります。冷静になりたいときに「頭を冷やす」と言ったり、気分を変えたいときに顔を洗ったりしますよね。
パニック発作時も、冷たい水で顔を洗う、首を冷やす、保冷時を握るのが、即効性のある方法だそうですが、なかなか難しい・・・。もしお水があれば、ペットボトルを持ったり、手を少し濡らしてみたり、金属製の水筒だと冷たい部分を触るのもおすすめです。
足裏で「地面」を感じる

足裏から“今ここ”を感じます。座っているなら足をしっかり床につける。立っているなら軽く膝を曲げて踏ん張る。
これ、すごく重要です!頭が混乱しているときって、脳が頑張っているからか、足がフワフワしていて、まさに「地に足がついていない」という感覚なんだと思います。身体の下の方に意識を向けて、足をべったり地面につけて、広い面積でしっかり立つイメージをもつと、土台がしっかりするような感じがします。やってみてください!
思考にラベルをつける

「今、不安がきている」「これはパニックの反応だ」と、頭の中で言葉にしてみましょう。感情と自分を切り分けやすくなります。
安全フレーズを繰り返す

自分なりの安心できる言葉を自分に向かって唱えます。自分に優しく、いたわる言葉をかけましょう。声に出すと、より効果的です。
例:
- 「これは時間がたてば治まる」
- 「私は今、安全」
- 「深呼吸すれば大丈夫」
- 「すぐに落ち着く」
安心ワードはいくつあってもいいです!できれば、推しの声で脳内再生してみてください(笑)
発作が落ち着いたあとにできる“気持ちの切り替え術”
発作が去ったあとも、余韻や「また起きるかも」という不安が残ることがあります。そんなときに試せる工夫をご紹介します。
発作が起きたことについてくよくよと考えすぎない!打倒「予期不安」!
小さな達成感を感じる
発作が起きたことにフォーカスするのではなく、自分が対処できたことにフォーカスします。「今日は乗り切れた」「ちゃんと呼吸法ができた」と、自分をほめてあげましょう。小さな成功体験を積むことが安心につながります。
五感リフレッシュ
発作のことを考える時間そのものを減らしましょう。五感を心地よい刺激で満たすと、思考が切り替わりやすくなります。自分に心地よいことをすることは甘えではありません。発作を乗り切った自分をいたわることが大切です。
- 好きな音楽を聴く
- アロマやお茶の香りを楽しむ
- 外の空気を吸う
体を少し動かす
軽いストレッチや散歩で、体を動かすと気持ちも流れが変わります。
感情を書き出す
これは人によるかもしれませんが、「怖かった」「胸が苦しかった」とノートに書くだけでも、頭の中が整理されやすくなります。
“お守りアイテム”を持つ
お気に入りの石や布、香りなど、「これがあれば安心」というものを持ち歩くのもおすすめです。
ぜひいくつも探してみてください!
ちなみにpanicoはお気に入りの香水をアトマイザーに入れて持ち歩いたり、大事な人にもらったお土産キーホルダー、ぷにぷに触感のキーホルダー、フワフワ素材のマスコット、昔の大切な写真などを持ち歩いているので、荷物いっぱいです(笑)
緊急のサインに注意
もし以下のような症状があれば、すぐに医療機関へ相談してください。
- 強い胸痛や圧迫感
- 意識が遠のく感じ
- 呼吸困難
- 強い吐き気や発汗
また、自分を傷つけたい気持ちが出てきたときは、一人で抱え込まず、迷わず緊急サービスや相談窓口に連絡してください。
さいごに
パニック発作は「やり過ごす」ことができます。そして、その経験を重ねることで「大丈夫だった」という実感が少しずつ増えていきます。完璧を目指さなくて大丈夫。できることをひとつずつ、試してみてくださいね。



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