パニック症(パニック障害)を抱える人にとって、「心拍数が上がる=発作が起きるかもしれない」という恐怖はとてもリアルなものですよね。私もその一人です。
階段を上ったり軽く走ったりして息が切れたり心拍数が上がるのは当然のことなのですが、運動によるドキドキだとわかっていても、そのドキドキからパニック発作を思い出してしまうこともあったり。無意識のうちに心拍数が上がることを避けていたのか、思い返せば、パニック症になってから運動らしい運動はしていませんでした。
でも、そんな私が始めた「高強度インターバルトレーニング(HIIT)」が、少しずつ私のパニック症状にもよい影響をもたらしてくれています。
この記事では、私自身の体験を中心に、パニック障害とHIITの関係、そして安全に始めるコツをお伝えします。
はじめに:運動経験ゼロのパニック症もちが、HIITを始めた理由
私は数年前からパニック症を抱えています。
突然の動悸や息苦しさ、そして「このまま倒れてしまうのでは」という強い恐怖感・・・。
発作のたびに自信を失っていきましたが、治療を始めて1年くらいで病状はだいぶ落ち着き、薬に頼らずにすむようになってきました。
転職でフルリモートの仕事に就いたことにより、ストレスフルな職場と満員電車から解放され、身体も心も休むことができたのが、回復の大きな要因でもありました。
ただ・・・通勤の苦労や発作の不安と引き換えに手に入れたのは、そう、体重です・・・。
リモート勤務の運動不足がたたり、肩こり、腰痛、体重増加が進む一方・・・。
これはまずい、と思ったところで、主治医からの強めの一押しが。

Panicoさん、パニック症には運動がいいんですよ!!!!
有酸素運動をやるのです!!!!
パニック症を克服したい、体重も減らしたい。いつやるの?今でしょ!と自分に言い聞かせ、
重い重い腰を上げて、勢いでジムに入会。
が、運動経験ゼロの私。ストレッチの方法も、マシンの使い方もわからない・・・。
そんな運動経験ゼロのパニック症もちが、「高強度インターバルトレーニング(HIIT)」と出会い、
どうなったのか??
HIIT(高強度インターバルトレーニング)って何?

まず、HIIT(ヒット)とは、
短時間の全力運動と休息を交互に繰り返すトレーニング法のことです。
例えば、
- 20秒間全力でスクワット
- 10秒休憩
これを8セット行う(=タバタ式HIIT)など
たった4分でも心拍数が上がり、体がポカポカしてきます。
最初に聞いたとき、正直「運動経験ゼロの私には無理」と思いました。
でも、リサーチしてみるとHIITはメンタルに良い影響があるという研究が多くあり、
「少しでもパニック症が軽減するなら、試すっきゃないでしょ!」とよく知らないまま始めてみました。
なぜHIITがパニック症に効くの?
1. 自律神経を整える
HIITは短時間で心拍数を上げるため、
**交感神経と副交感神経の切り替え(スイッチの練習)**になります。
これはまさに、パニック障害の根底にある「自律神経の乱れ」を整えるトレーニングでもあります。
2. 「心拍数=危険ではない」と体で学ぶ
パニック障害の発作時には、心拍数の上昇が引き金になることがあります。
でもHIITを通して、「ドキドキしても死なない」「体は大丈夫」と
安全な状況で心拍数の上昇を体験することができます。
これは心理療法で言う「曝露療法(エクスポージャー)」のような効果を持ち、
恐怖の再学習につながります。
3. セロトニン・ドーパミンの分泌を促す
運動によって分泌されるセロトニン・ドーパミンといった神経伝達物質は、
気分を安定させ、不安を軽減する働きがあります。
「終わったあと、スッキリする」という感覚は、まさにこの効果です。
できるところから、自分のペースで始めよう。

ある日、「パニックに効果のあるHIIT」をネットで調べてみると、
「1分のランニングと1分のウォーキングを10分繰り返す」という方法が紹介されていました。
試しにジムのランニングマシンでやってみたところ、、、
運動経験ゼロの私です。3ターン目くらいの本気走(ランニング)でもう無理・・・。
そして、心拍数が急に上がると、やっぱり怖くて、「発作が来るあの感じに似ている・・・」と焦ってしまいました。
そう、記念すべき初のHIITは失敗に終わったのでした。
でも翌日、少しだけ筋肉痛が残っていて、身体が変わるかも、みたいな実感がわいてきました。
若かりしころ、身体を動かした後の、あの成長痛がカムバック。
そして久しぶりに体験した、爽快に汗を流し、自分と向き合う時間が心地よかった!
やっぱり運動している最中は余計な事を考えずに済んでいる。=メンタルによさそう、と考えました。
私は物事を始めると、ついつい最初から良い出来を目指そうとするんですが、いつも良くできなくて(当たり前)、「やーめたっ」となって、続かない。
「いけないいけない、これが私の癖。」
「たった1回で失敗したと思わず、自分のできるところから始めよう」と気を取り直し、
・ジムでは、ウォーキングメインで途中気が向けばジョギングを挟む
・犬の散歩中にたまにダッシュ
など、軽い運動の途中に本気走りを1~2回入れるところから始めてみました。
「ちゃんとしたトレーニング」ではなく、「少し体を動かす練習」として生活に取り入れたのです。
最初はできることから始めて、体力と筋力と自信(これ大事)がついてきたころ、ジムに入会して1か月後くらいでしょうか、あらためて「1分走って1分歩く×10分」のHIITを試してみたところ、最後までやり遂げることができたのです!
続けていくうちに起きた変化

1.運動が習慣になった
私の場合「HIITをやる」こと以前に、運動を習慣化することが高いハードルでした。
今回、パニック症改善とダイエットを兼ねて運動を始めましたが、過去にダイエットのみを目的として始めた運動は、毎回1か月も続きませんでした。
でもパニック症を改善したいという動機がプラスされたことで、運動へのモチベーションはだいぶ上がりました。あの発作の苦しみを経験せずに済むんだったら、苦手だったものも頑張りたい、そんなふうに思えました。
2. 動悸への恐怖が薄れていった
続けるうちに、心拍数が上がっても「これは発作じゃない」と冷静に感じられるようになりました。
心臓がドキドキしても、「体が元気に動いている証拠」と思えるようになったのです。
3. 気分の浮き沈みが減った
朝に軽くHIITをすると、1日中頭がスッキリ。
私の場合は、朝の犬の散歩で時々走っては歩く、を行いました。
朝運動すると、1日のめぐりがよくなり、日中の集中力も上がりました。
運動を通して自分をコントロールできる感覚が戻ってきたのだと思います。
4. 睡眠の質が改善した
夜ぐっすり眠れるようになったのも大きな変化でした。
私の場合、夜の無駄なスマホ時間が少なくなったのは大きな進歩!
日中に体を適度に疲れさせることで、睡眠の質に良い影響を与えてくれるのだと実感しました。
HIITを始めるときの注意点

とはいえ、パニック症を持つ人にとって、
急な心拍数の上昇は不安を誘発することもあります。
安全に始めるために、次のポイントを意識してください。
- 医師・カウンセラーに相談する
持病や服薬がある場合は、必ず専門家に確認を。 - 「低強度インターバル」から始める
例えば「軽いウォーキング20秒+休憩40秒」など。 - 呼吸を意識する
過呼吸を防ぐために、「吐く」呼吸を意識するのが大切です。 - 調子の良い日に、短時間でOK
無理をしない。続けることが最優先です。
続かなくても、できなくても、自分を責めないで(^^)
まとめ:身体との対話を通して「不安」から自由になる
パニック症と共に生きる中で、
「自分の身体が信じられない」という感覚を持つ人は多いと思います。
私もそうでした。
でもHIITを通して、
「心拍数が上がっても怖くない」「この身体は味方だ」と思えるようになったことが、
私にとって本当に大きな変化でした。
HIITは決して魔法のような方法ではありませんが、
自分の心と身体をつなぎ直すきっかけにはなります。
不安を感じながらも一歩を踏み出したその瞬間から、
少しずつ、自分の中の「恐怖のループ」がほどけていくのを感じられるかもしれません。
最後に
この記事は私個人の体験をもとに書いたもので、効果には個人差があります。
パニック症の症状がある方は、必ず主治医や専門家の指導のもとで運動を取り入れてください。
もしこの記事が、同じように不安と向き合う誰かの小さな希望につながれば嬉しいです。
「体を動かすことが、こんなにも心を軽くしてくれる」――私自身、そのことを少しずつ実感しています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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