パニック症になったからこそ 覚えておきたい「パニック発作と間違えやすい身体の病気」

パニック症全般

パニック症の診断を受けたからこそ、覚えておこう

パニック症の主症状であるパニック発作は、激しい動悸、めまい、息苦しさなど、身体の変化を伴うものです。

パニック症の診断を受けたかたによくあるのが、「身体の病気だと思って病院に行って検査しても、どこにも異常がないと言われて納得できずにいたら、じつはパニック症の発作だった」、という話。突然のパニック発作は、心臓や呼吸器系の病気ではないかと思う方がほとんどだと思います。私は逆で、初めからこれはパニック発作だと思いこんで(実際にそうだったのですが)、身体の病気のことなんて全然頭にありませんでした。

精神科・心療内科では、診断基準を満たすからといってはじめからこころの病気と診断してしまうと、重大な身体疾患を見逃し命に関わる事態になるとまずいので、まず身体疾患が背景にないかを調べることが多いです。panicoが通っていた心療内科でも、初診時に血液検査や心電図など、いくつかの検査を行いました。異常が見つかれば他の科に行くことになったのでしょうが、panicoは身体に異常がなかったので、パニック症と診断がついたわけですね。

で、パニック症になって5年たつ今、ふと思ったのです。
パニック症と診断された人こそ、今後のために、パニック症と間違えやすい身体疾患を覚えておいた方がよい! ということです。

診断時に身体的な病気がなかったからといって、今後もないとは限りません。
でも、パニック症になった人は、この先も動悸やめまいや息苦しさを感じたら、きっと先にパニック発作を疑うと思うのです。(パニック発作と他の病気の症状とは感覚的に全く違うものかもしれませんが。)もしそれがパニック発作ではなく、身体的な病気だったとしたら・・・パニック発作だと思いこんで、命にかかわる病気をほったらかしにしないようにしたいものです。

この記事では、パニック症と間違えやすい身体の病気について整理してみます。パニック症と診断されたかたこそ、ぜひ覚えておいてください。

パニック症と間違えやすい病気一覧

心臓疾患

病名特徴
狭心症・心筋梗塞胸痛や発汗、長時間続く痛み。命に関わる可能性あり。
不整脈動悸や心拍数の増加。検査で心電図異常が見られる。
僧帽弁逸脱症まれではない形態異常で、多くは無症状。弁の動きが不安定なことで、一部の人に突然の動悸や胸部違和感などの症状が見られることあり。

内分泌・代謝疾患

甲状腺機能亢進症 (バセドウ病など)動悸、手の震え、発汗、息苦しさ、体重減少などの症状。疲労感が強い。血液検査で判別。
低血糖血糖値の急低下による、強い空腹感や眠気、発汗、動悸、手の震えなど。ひどい場合は意識を失うことも。
副甲状腺・副腎の異常(褐色細胞腫など)副腎などにできる腫瘍。動悸、立ちくらみ、発汗などの症状。

呼吸器疾患

過換気症候群息苦しさや呼吸困難、手足のしびれなどが特徴で、パニック発作と非常に似ている。
喘息呼吸困難や胸の圧迫感がパニック発作と似ている。
肺塞栓症息苦しさ、呼吸困難、胸痛、動悸、めまい等。発症前に片足のむくみや痛みが出ることあり。

その他の疾患

てんかん「側頭葉てんかん」では発汗、過呼吸、頻脈、意識消失等あり。脳波検査で診断。
更年期障害ホルモン変化により、ホットフラッシュ(突然のほてり)、発汗、動悸、めまいなどの症状。年齢や性別で判断材料に。
メニエール回転性のめまい、耳鳴り。数時間持続する点がパニック発作と異なる。内耳検査で判明。
貧血脳への酸素供給不足のため、動悸、息切れ、めまい、疲労感等の症状。血液検査で判明。
起立性低血圧貧血と似ている。動悸、息切れ、めまい、意識が遠のく感じ。

動悸・息切れ=パニック発作と決めつけない!違和感があったら、医療機関を受診しましょう!

パニック症と間違えやすい身体疾患は、たくさんあるのですね。

そもそも、動悸や息切れ等の症状は、パニック発作に限らず、身体からの緊急事態アラートであることは間違いありません。「いつもと違うかも」というあなたの感覚が頼りになります。動悸・息切れ=パニック発作と決めつけず、違和感があったら早めに医療機関を受診しましょう。

また、定期的に健康診断を受け、身体に注意を向けるようにしましょう。普段から自身の身体の状態に目を向けて、いたわってあげてくださいね。

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